下り階段の天久宮

赤い鳥居の向こうに本殿はなく、拝殿もない。そこに見えるのは剥き出しのコンクリートだ、事実、鳥居の奥にあるのは駐車場で、脇に下向きの細い階段がある。ひとつ下ると本殿と社務所が現れた。お詣りを済ませて、もうひとつ下る階段に気がつく。本殿の真下に御神体なのか?どこかの拝所か?そこには御嶽がある。

琉球舞踊やカチャーシーをテレビで見た時に先生と呼ばれる女性が話していた「神様を崇めるために口の高さより手のひらは下げないんですよ」そうなんだ!と、やはり芸能は神楽なんだと思ったものです。ですが、この神社は口元どころか、足元の更に下に社務所や御嶽がある。

戸惑いながら、どことなく侘びながらお詣りした天久宮でした。

洞穴の金武宮

お詣りしにくい神社の一つだと思います。「到着しました」と、ナビに言われても周囲に鳥居も見えず、やむなく所在地に建つ金武観音寺の方にお尋ねしましたところ、境内の一画に金武宮に下る洞穴があると。

お詣りしたい旨を告げると、洞穴入口の鍵を開けてくださいました。八社に数えられる神社でありながら公の補助がなく財政的な厳しさが垣間見えます。

御祭神は熊野権現ですが、伊弉冉尊の権現と言われる聖観音菩薩を御本尊とする寺の境内に鎮座しているのも偶然ではないのでしょう。

末吉公園の末吉宮

内地では平坦なイメージのある沖縄ですが、那覇市内ですら自転車移動が厳しいほどの高低差があります。末吉宮のある末吉公園は麓の駐車場に車を停めると片道30分の山歩きになります。僕がお詣りした時には、地元の方にハブよけの枝を持ち歩くように教わりました。

熊野三神を御祭神とし市内とは思えぬ森の中に鎮座します。

ハブを気にせずに済む季節に訪ねてはいかがでしょう。

駐車場を気にせずに行くなら、本殿のさらに高い位置に道路がありますので、そこからだと5分程度で本殿前に着くそうです。地形的にお詣りしづらい分、清浄感の強いお宮です。

崖の上の波上宮

那覇空港から北東にある波の上海岸の崖の上に海を見据えるように建つ波上宮。隣にある護国寺の鎮守の宮なのか、寺社仏閣好きにはお参りに値する壮麗さが漂う。

参道の坂道を登り階段を上る事でそびえる崖の上にある本殿が現れる。熊野権現を御祭神に持つ国産みの神社のひとつ。アマミキヨとシネリキヨが熊野の二柱に当たるのかはわかりませんが、ヒヌカンをカグツチの尊と感じる僕はイザナミの尊が琉球始祖の神様と思えてきます。

清めたまえ祓いたまえと、手を合わせます。

恒例の年末詣り

沖縄に、数年続けて年末近くになると訪ねる神社がある。正しくは「続けて」は、数年だけど、隔年だと20年ほど続いている事になる宮詣りだ。

だけど、今年はコロナ禍のせいで医療従事者や介護関係の多い僕ら家族親戚は例年のごとく大人数で行く事は叶わない。2週間の非接触を考えると正月に子や孫らと会えないのは辛い。

行かねばならない宮詣り。老齢の母と兄は行くと決めていた。優先すべきを考えている間に、賽は投げられていたようだ。

悩める気持ちを綴っただけのブログになってしまいました。

 

国産み神社

国産みの神様を祀る神社を参拝するのが好きだ。イザナミ、イザナギ、スサノオ、アマテラス、ツクヨミ、オオクニヌシなど。導くサルタヒコやアメノウズメを祀る神社も。宗方三神やニニギノミコトも。

だから、熊野系と言われる神社への参拝が必然的に多くなるのだけれど、琉球八社のうち七社が熊野系だと後で知った。

いまは、まだ何故かわからないけれど、惹かれる理由があるのは感じている。

毎年、9月に伊邪那美命をお詣りする癖があるけれど、今年は難しい。天災なのか人災なのか、早期の終息を願わずにはいられない。熊野系神社へ琉球八社へ笑顔でお詣りしたい。