昼休み以外は一日中立ちっぱなし、なんて仕事は意外に多いような気もするけれど、普段はデスクワークが中心の還暦の身にはいささかこたえる。
混雑する会場の案内役と言えば、立て看板の代わり程度の認識もあったが、とんでもない楽観的な見通しだった。
人の流れが多くなると、ちょっと尋ねる来場者が現れる。一言で終わるような会話も案内人が20秒話すと後ろに人だかりを生んでしまう。
コロナ禍で抑えるはずの声を張り上げて誘導する、こんな事も起ころうかとマスクにフェイスシールドを兼用しているが、枯れるような体力を息苦しさが奪っていく。
それでも時間と共に呼吸は慣れてくるけれど、動き回り疲れは増すばかりだ。
なんやそのくらい。
妻がかつてアルバイトした、パン工場の製造ラインでは年配の女性がテキパキと立ち仕事を一日中こなしていたと言う。
でも、しんどいもんはシンドイねんと、叫びながら、今日も会場案内に向かう。