本人に、何の落ち度もない反則で高梨の大ジャンプが取り消された。二日前の個人戦で問題なかったスーツが違反とされた。混合団体ジャンプの陣容は金メダルを狙えるメンバーを揃えてきた。
のに、
高梨が失格となって日本は大きく順位を落としてしまう。嗚呼、これだけの大選手なのに五輪には嫌われているのかと、思わざるをえない。
ワールドシリーズの最多勝は前人未到だ、10代半ばから世界の頂点に居ている、そして10年も世界のトップクラスに居続けている、類稀な才能と努力を重ねられる選手だ。何年も追われて研究されて世界のジャンプを、牽引してきた。
なのにオリンピックでは勝てない、個人戦も4位だった高梨沙羅にメダルを届けてあげたかった。
のに、失格。
泣き崩れる姿を映すカメラに怒りを覚えるほど、切ない、危険な競技だから二本目は飛ばない方が良いと話していた、不安定なメンタルは大事故につながるジャンプだから、飛ぶのは怖かった。
のに、二本目を飛んだ。
そして、素晴らしいパフォーマンスのジャンプは日本の奇跡の追い上げを生み、メダルには届かないものの、4位。
仲間のために飛んだ高梨に感動し、4位に繋げた仲間に感動した。
メダルに届かずとも記憶に残る浅田真央のフリーのようだった。
高梨沙羅の二本目は素晴らしい。