白浜アドベンチャーワールドには、息子が小学生に上がる前に行った記憶があったけど、その息子がパンダ好きの孫と行かないかと、誘ってくれた。パンダに興味は無いけど、パンダを見て瞳を輝かせる孫に興味が湧きまくる。
動物園で見たパンダは、スルメをしゃぶるオヤジにしか見えなかったけれど、白浜のパンダは屋外を歩く、木に登る、転がる、後ろ足で耳元を掻く、熊猫とはよく言ったものだ。
孫が話す。
「中国を除いたら、ココが一番多いねん」
一頭のパンダが巨大を上手く使いながら木に登って遊んでいる。
「彩浜は木登りが、得意やねん」
眼をキラキラさせた孫が解説してくれるけれど、虎のようなスムーズさは無くて、巨体で木をしっかり捕まえてる感じは、得意と言うより危なっかしくて、仄かにある母性を刺激し続ける。
あ、危ない!
なんて、見ていると、いつまでも動こうとしない僕と孫を妻や息子夫婦に手を引かれる。
楓浜にも目を奪われた。
あれ?意外に可愛いやん。
スルメオヤジもいたけれど、一度可愛く見えてしまうと、おしゃぶりベイビーくらいには、映ってしまう。
こんなアドベンチャーワールドは知らなかった。
パンダを見て目尻が下がり、孫を見て頬が緩む。
気づけば、土産物屋で財布が緩んでいた。