痛そうやったから

左足につけた装具のせいで足の裏の皮がダメージを負っていたけれど、ようやく傷も塞がり剥けた皮の再生がされてきた。と、言うものの風呂上がりの足裏はふやけた皮が痛々しい。

風呂から上がると、妻が足裏に薬を塗ったりケアをしてくれるが、この日は遊びにきていた孫娘が心配そうに眺めている。皮が剥がれてボロボロの足裏は怖いだろうと遠ざけていたが、心配して妻の横に座り、消毒液をかけるのを手伝ってくれる。

ふやけて柔らかくなった皮を妻が傷に気をつけて剥がしてくれる。皮の引かれる感触に怖さも覚えながら消毒液のかかる気持ちよさも感じる。
少し強めの引きに
「あ、ちょっと痛いわ」
声をかけると、見当違いの方向から声がした
「え、どうしたん?最後薬塗るから待って」
テッシュを取りに行った妻が応えた。

え!

足元を見ると、孫娘が大きな皮を剥がそうとしていた。
「ああ、待って!剥がさんといて!」 思わず声が出た!

「大丈夫。できるから」 元気な返事が怖い。


妻が、声に気付き孫娘の手を押さえてくれた。
無邪気で優しいだけに怖かった。
「痛そうやったから」 確かに優しい、でも怖かった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA