太陽が別人だ。

沖縄はもちろん暑かった。
南国だ。
燃えるような太陽が命を奮い立たせる。
大阪も暑い。
でも、ガジュマルの木もシダの木もない。
刺すような太陽に命を削られるようだ。
まるで、太陽が別人だ。

免許証の更新

朝からシャワー浴びて鏡をみた。
2週間も伸ばした顎髭が気に入っている。
運転免許試験場で撮る写真のために髪の毛を洗いセットする。
髭は?どうする?
メガネや帽子はともかく、ヒゲはどうなんだろう?剃れとは言われないだろう。
剃らないのか?
向こう5年間は顎髭があるぞ!
カッコいいじゃないか!
サラリーマン時代に絶対に許されなかった免許証になるぞ。

2分後に剃っていた。
Tシャツもワイシャツに着替えた。

何かに負けた気がしたが、白ヒゲは意外にカッコイイけど、何か年取って見えたから。
それより、だいぶ前に後部座席のシートベルト不着だけで、ゴールド免許証で無くなっていたのがショックだった。
青なら髭も剃らなかった!
なんて、思ってしまった。

やり残した沖縄

チャーリータコスに寄れなかった。
キンタコのアメリカンなタコスも食べてない。
忠孝蔵が定休日だった。
千日か東食堂のぜんざいが食べたかった。
Jimmy’sで買い物出来なかった。
A&Wのカリカリポテトを食べながらルートビアを飲んでない。
南部そばのテビチそばを食べてない。
高江州食堂のゆし豆腐そばを食べてない。
我部祖河食堂のソーキそばを食べてない。
水着を着ていない。
アクションカメラは持ち腐れた。
マンゴローブをカヌーで渡りたかった。
牛車でのんびり観光はどうした。
青の洞窟は側を通っただけ。
贅沢に空を飛ぶ計画は飛んだ。

また、沖縄に行く理由には事欠かない。

沖縄ロスの僕がした事

ありがちだけど那覇空港で呟いた。
沖縄に行きたい。
とりあえず、宝くじを買った。
スクラッチはハズレた。
iPhoneのアルバムを見たら恋しくなった。
荷物を解くと、買えなかったTシャツが惜しく思えた。
次に沖縄に行くために、出来ることを考えた。どうやって、旅行代を稼ごうか?

はぁ〜
とりあえず、沖縄の海でも見ながら考えようか。

昔をさんぽした波の上

父の白黒写真の裏には、還暦を迎えた僕が生まれた日よも古い日付が鉛筆で書いてある。
添え書きは「波の上にて」
[とんぼ]と書かれた小さな漁船のヘリに腰掛け、カメラに向かって笑っている。
波上宮に参拝した後に、ビーチに降りてみる。父の写真が撮られた場所を探してみようと思う、手がかりは背景に写る、人の横顔のような岩だ。漁港がビーチに変わり果てても、この岩は変わらずにいるに違いない。

限られた時間内に『昔』にたどり着けるかどうか分からない、不安と期待をチャンプルしながら、70年近く前の写真を手に浜辺に降り立つ。

あ。

あれ?そこに見えた岩の形に覚えがある。
手元の写真を見る。
あれ?
見つけた、もう見つけてしまった。
探す苦労も時間を気にして焦る事もないまま見つけてしまった。

感動には多少の労苦は必要だと思った。
親父が写真の中で笑う。

首里琉染で、さんご染体験してきた。

本物の珊瑚を型に色付けしていくさんご染。
店員が丁寧に教えてくれるので、未体験の不安もなくTシャツに色を入れていく。
だけど、比較的器用だと思う僕も妻も同じセリフを叫ぶ事になった。

「えええー、もう10ふん前」

ああしたら良かった!こうしたら良かった!
も、同じセリフです。
サイズが大きめなのも、同じセリフ。
次は、もっと上手くできる!
も、同じセリフ。