城崎にて

宿の前を電車が走る。時に華やかな特急電車に慌ててシャッターを切ろうとするけれど、デジタルは起動までに時間がかかる。
外湯まで送ってもらって、大渓川のほとりを浴衣でカランコロンと歩く。
風情という言葉を殊更に意識しながら、丹前から出した腕を前で組む。
カランコロン、カランコロンと慣れない下駄でバランスを崩しかけても風情を優先する。
御所の湯は開放感のある大浴場で温まる。
すると、昔よく見た風景が眼前に映る。
昔の銭湯でよく見た、けど見てないふりをした。
背一面の観音様の刺青。
タトゥーなんかじゃない、モノホンの入れ墨。
ああ、都会のスーパーな銭湯は入浴を許してくれないからね。風呂好きの紋紋さんにすれば老舗の温泉街は貴重なのかも知れない。
風情の一環だと、変に納得する。

沖縄に行きたい僕が、凹む報道

4月に入ってから、検体の少ない月曜日以外は全て1000人を超える感染者が報告されている沖縄。そんな中でも、GWの旅先ランキングでは1位だと言うから驚く。

そんなに沖縄が好かれていて嬉しい?
でも、人口あたり最多の新規感染者だよ。
北海道ほど広くないから、那覇の酔客が国際通りをかっ歩しないか?
最初に持ち込んだのは、観光客じゃなかったか?

お願いです。
お願いです。
5月に感染者が急増しないで下さい。
6月に第七波が来ないで下さい。
7月には穏やかな沖縄になってください。
僕も沖縄に行きたいのです。

アドベンチャーワールドに行ってみたら驚いた

白浜アドベンチャーワールドには、息子が小学生に上がる前に行った記憶があったけど、その息子がパンダ好きの孫と行かないかと、誘ってくれた。パンダに興味は無いけど、パンダを見て瞳を輝かせる孫に興味が湧きまくる。
動物園で見たパンダは、スルメをしゃぶるオヤジにしか見えなかったけれど、白浜のパンダは屋外を歩く、木に登る、転がる、後ろ足で耳元を掻く、熊猫とはよく言ったものだ。
孫が話す。
「中国を除いたら、ココが一番多いねん」
一頭のパンダが巨大を上手く使いながら木に登って遊んでいる。
「彩浜は木登りが、得意やねん」
眼をキラキラさせた孫が解説してくれるけれど、虎のようなスムーズさは無くて、巨体で木をしっかり捕まえてる感じは、得意と言うより危なっかしくて、仄かにある母性を刺激し続ける。
あ、危ない!
なんて、見ていると、いつまでも動こうとしない僕と孫を妻や息子夫婦に手を引かれる。
楓浜にも目を奪われた。
あれ?意外に可愛いやん。
スルメオヤジもいたけれど、一度可愛く見えてしまうと、おしゃぶりベイビーくらいには、映ってしまう。
こんなアドベンチャーワールドは知らなかった。
パンダを見て目尻が下がり、孫を見て頬が緩む。
気づけば、土産物屋で財布が緩んでいた。

フィッシング詐欺だって

昨日のテレビで生駒里奈さんがフィッシング詐欺被害を教えてくれた。
クレジットカード情報が盗まれ、短期間に10万円を超える買い物をされたらしい。
思い当たるのは、数日前に来た偽Amazonメールだとか。
誘い文句は、クレジットカード情報の不調。
改めて、情報の再入力画面に誘導されカード情報を入力してしまうと、アウト!
相手も即座に発覚するのを避けてか、何100万もする買い物はしなかったようだ。
怖い。
キャッシュレスの時代に慣れようと、クレジットカードや電子マネーを使い出しているが、少しの油断で騙されてしまいそうだ。
ハッとした!最近、カード情報を入力したぞ!
…… ……
Λ ああ、大丈夫だ。僕から変更したんだ。
こんな事で、心配になるなんて嫌だな。

減らない日常

もう、緊急事態宣言は出ないような気がする。世は情報社会だから、欧米の取組みは政府広報より巷に広がって、マスクを外して経済と併立させる流れが押し寄せてくる。
日本では、新規感染者数が過去最多となる県が出ているにもかかわらず、今のところ重点措置が施される事もない。
我慢の期間が長すぎて、営業自粛要請は店側も客側も限界だ。
海外から来た人が、未だ厳しい制限に驚いたとの声も聞くけど、お国事情が異なる。
PCR検査を複数回受けた人がどれだけいるだろう?
平常時に一回でも受けた人がどれだけいるだろう?
10分余りで結果のわかる抗原検査を入店の基準にすれば、数十人の宴会も可能じゃなかろうか?
新規感染者が減らないから、日常を変化させて、飲み歩きたい。
大宴会してカラオケ大会も、全員が陰性証明持っていたら可能では?

怖かったけど、無料検査を受けてみよう。

春盛り桜の通り抜けは素晴らしい

齢90を超える母を連れて、造幣局の桜の通り抜けに行ってきた。巷に咲き誇っていたソメイヨシノが葉桜に変わる4月の半に毎年催されている、大阪の風物詩だ。
例年と違い、事前予約制となっているためか、沿道の桜を愛でる余裕がある。
平野撫子、関山、蘭蘭、覚えきれない品種の桜が沿道に立ち並び、満開の花を魅せる。
思い想いに写真を撮るスペースがあるのが嬉しい。商店街を行くが如くになって以来、遠のいていた通り抜けが愛おしくなってくる。
須磨浦ナントカって、淡い緑に濃い桜色の瞳を持つ華やかでない美しさに立ちすくめたのも嬉しい。母の車椅子を押しながら、数十年前の思い出を語りながら歩く。
きっと、当たり前ではないだろう手間と費用をかけてくれる造幣局に感謝する。
足の悪い母のために、迎えの車が正門に着くまで、車椅子を融通してくれた、警備員さんの対応にも花の心地よさを感じた。