月桃餅は知っててもムーチーは知らない

柏餅やちまきは端午の節句に食べますが、実は、和菓子屋さんで年中買えます。沖縄の月桃に包んでいる餅にもそんな側面があるとは知りませんでした。勝手に見た目から月桃餅と呼んでましたが、正しくはムーチーと呼ぶらしいです。モチの方言である事は予想できますが、漢字で書くと「鬼餅」だとか。災厄を意味する鬼を祓うために、餅を魔除けの葉で包み、旧暦12月8日に食する習わしだとか。起源は琉球王朝に遡り、「球陽」という歴史書に記述があるようです。

このムーチーの日には、陳列の中央に月桃で包まれた鬼餅が積み上げられると言います。子供の初ムーチーには家族で作ることもあると言いますが、無病息災の思いのこもった味がするのでしょうね。

僕も食べたことのある餅ですが、謂れも何も知らずに食べると、慣れない月桃の香がキツかった記憶があります。ですが、ムーチーに込められる想いの感じて次のムーチーの日には食べてみたいと思いますね。

ん?今年は、、、1月20日でしたか!では、美味しく頂くのは来年と言うことで。てへ。

大城美佐子さんが亡くなられました。

ブログでタイムリーに取り上げるほど大城美佐子という歌手を知っている訳ではない。代表曲も知らないし、新聞で見た有名曲もわからない。なのに、名前は知っているし、歌も耳にしたことがある。農連市場でモヤシのヒゲを取っていた映画の記憶もある。まだ、三線にも沖縄の唄にも興味を持たなかった頃に聞いていた名前だ。

何故だか、キチンと唄を聴いていなかった事が悔やまれる。いま、三線が好きで、古謝美佐子の唄を聞きに行く僕だからこそ、聞きたかった唄者さんだった。

コロナ禍で唄う機会を奪われていたのではと、時世を哀しんだりもする。ご冥福をお祈りいたします。

 

知らなかった頃に行った久高島

20年近く前に、初めて久高島に渡った。神様に近い島という事は調べて渡った久高島で、友人や子供と自転車を借りてカベール岬まで疾走した。まるで神社の境内で遊び回るような感覚だった。
それから、数年後に塩工場の一画でウチの兄が「この方向から強い光を感じる」などと言うので、「久高島の方向やね。ほら、前に話した神の島」と、僕が応える。
その翌年に、兄が久高島に渡ると色々と知識を得て戻ってきた。近年は神の島としての行事も執り行われていないらしいけれど、キチンと神様を感じ取れる場所がアチラコチラにあるらしい。熱っぽく話す内容には、荒唐無稽と言えなくもない内容が含まれているが、妹や姪まで同じような体験を話し出すと信じざるを得ない。
知った僕が再訪する時には、キチンと手順を踏まえて参拝しなければと思う。前には感じなかったものを頂けるかもしれない。

魚が泳ぐ杯に泡盛を注いで眺める

10年以上も前に長田で見つけた沖縄のお店。お猪口にしては、ひとまわり大きな杯を見つけた。2000円。ちゃんとした陶器だと安!ってなる値段だろうけど、100均で何かと手に入る時代に小さな杯-ぐい呑み程度の器に2000円は高いと思ったんだ。
お店の人が言う、これは金城次郎さんのお孫さんの作ですね。敏男さんとか、子供さんのはアチラに置いてます、次郎さんのも向こうにありますよ。
チラ見しても10倍は超えてそうなコーナーを紹介されている。
2000円にビビる僕に無茶を言うなと思ったが、値と共に目の前の器の魚紋に惹かれた。銘を見ると「山」?
吉彦さんですね。金城吉彦さん。「ヨ」か!カタカナだとは思わなかったけど、魚の表情に頼りなさがあって美しく感じたんだ。娘の寿美子さんの女性的な丸味と違う優しさを感じたんだ。
僕を見て、仕方なさそうに100均好きの妻が笑っている、はじめて、ちゃんと陶器を買った。
帰ってから改めて気づいた。泡盛を注いで泳ぐ魚の美しさ。用の美、使ってこその器だねぇ。
気に入ったのが吉彦さんで良かった、数年後には、次に買った小皿にスクカラスを乗っけられたもの。

すべてを絶景が勝る勝連城

真田幸村、勝海舟、平清盛、竹中半兵衛、田中角栄などなど。彼らは英雄か、それとも奸雄か?ところ変われば正義も変わり、伝えられる歴史は勝者の正義ですよね。

沖縄の勝連城にも悲劇の英雄で伝わる阿麻和利もそんな一人でしょうか。知恵に長け百姓でありながら悪政を敷いていた前城主を討ち新たな勝連城主になったと伝わります。長けた知恵で貿易にも通じ勢力を伸ばすと、時の琉球王府は絶世の美女と評判の娘を嫁がせたとか。しかし、強すぎる野心は最後には身を滅ぼす事に。

中城の護佐丸抜きで語れる話ではないのですが、先ずは歴史を知るよりも勝連城から海を見てほしいと思います。

下から見上げても、少し小高い丘の上に建つお城と言ったイメージかも知れません。城郭を登る階段は確かに急ではありますが、それでも建造物内を上るに過ぎません。過ぎないのに、登り切った後に目にする眺望は世界を手にした気になる達成感をもたらせます。三方を囲む海を見下ろす我が眼は、僅かを登った以上に世界を見下ろしますから、自分を過大に評価してしまいそうです。

 

詳しくは知らないので、迂闊な推測は失礼かも知れませんが、絶世の美女を傍にあの景色を見れば何でも叶うような気になるのも仕方のないことかも。乱を起こしたのは阿麻和利ですが、起こさせたのは勝連城でしょうか?

北新地の地下で見つけたもの

北新地という駅がある。改札を出て右手に行くと第3ビルに至るスペースが広がる。何故だか長机がいくつも並んでいるのだが、どうやら各県毎にPRパンフや小冊子が所狭しと並べてあるようだ。そう気づくと、時間の余裕もないくせに、つい沖縄県のブースだけは見てしまうわけだが、

驚いた。
今帰仁城、首里城公園、コザ、沖縄市に名護市、国頭郡、宮古、石垣、古宇利島に金武まである。泡盛の紹介かと思えば島酒ツアーって何。企業誘致に移住だと。ベクトルの向きもてーげーに置かれたパンフを、忙しいのに手に取る。じっくり見ては居られないから、とりあえず手に取る。
今帰仁城、首里城公園、コザ、沖縄市に名護市、国頭郡、古宇利島、金武、泡盛各種。離島と企業誘致、移住以外は全部カバンに入れた。パンフは重い。
行く行かないはわからない。
見る見ないで言ったら、たぶん見る。
要るか要らないかは論外。
沖縄好きだから、重くなったカバンを軽やかに抱え改札にダッシュした。
本当に忙しいんだって。