末広がり

遅い夏休みを終えて、今日から日常だ。いつもの時刻に駅に着きいつもの電車に乗るはずだった。

下り電車の発車のベルを合図に滑り込む上りの電車だった筈が、ホームに上下線揃ってる。あれ?次の瞬間、閉まるドア。

あれ?乗り遅れた。仕方なく、次の電車を検索して驚いたのは、ここで4分の遅れが着駅だと9分の遅れだ。

しばらく考えて思う。

末広がりで縁起がいいじゃないか。

少し、無理がある。

浮かれてゴメンよ

少し遅い夏季休暇をいただいた。何をしようかと悩む。例年なら、比婆山に登っていた9月朔日。今年は、大阪ナンバーで出雲へ行くのは控えよう。車を停めるのは神社だけとは限らないから。

さて、どうしようか?夏休み。

お詣りしても許されそうな他府県。電車で手頃な距離。

全ての状況を整えて、「しまかぜ」に乗れるのが嬉しい。

さて、その前に妻の日々をお手伝い。毎朝介護に出る妻に僕のできる範囲でお手伝い。

あれ?なんで途中で下ろされてんだ?気持ちは嬉しいけどする事ないから、ここで待っていてって。妻の焦りながらも僕を気遣う言葉に、しまかぜに浮かれてるのが申し訳ない。

助け合いの光文字

毎年、成人式に合わせて、名護市の銭ケ森の斜面に地元の卒業生らが光文字を点灯させると記事で見た。「道」「命」「親」「愛」など30年以上続けられている行事らしいのだけれど、知らなかった。

住んだことのない遠い故郷が、今年はコロナ禍に「結」の文字を光らせた。

今こそ助け合い

そう意味を込めた文字らしい。

世界のウチナンチュ

知らなかった。オリンピックよりも長いスパンで開かれている大会を知った。

「世界のウチナンチュ大会」

沖縄にルーツを持つ全世界の人を対象にした集まりで5年に一度開催されているらしい。RBCの動画を見ると、ブラジルやアルゼンチンの沖縄県系人がルーツを大切に琉球文化を知ろうとしているのが伝わる。大阪に住む県人二世として、非なるようで似ている感覚だった。

ある種の憧れを持って「琉球」を見ている。ああ、一本指で指笛を鳴らしたい。

てっぺん

僕の身長は170cmに足りない。そんな僕が妻と友人に言われた事がある。アスレチックを楽しんでいた時だ。

普段は、見えてないから気が付かなかったけど、頭のてっぺん、薄くなってるね。その辺からハゲてきますって感じ。

当時、30台の僕は、帰途にサクセスを買った。それから、シャンプーは育毛系に変えた。その甲斐があってか今も「てっぺん薄い」で済んでいる。

前の座席に座っている彼に言いたい。おそらく立てば180は超えているんじゃないか。普段、人に見られる事はないだろう。

てっぺん薄くなってきてるよ。

でも、ちゃんとケアすれば大丈夫だよ。

用意周到

思いついた時から計画していた。

毎年の、9月に行く旅行も今年は難しい。続くコロナ禍の影響で大阪の車がいくつも県を跨いで出雲まで行くのにためらいがあったからだ。GOTOを利用してビジネスホテルからランクアップしたかったけど、車に傷をつけられるのを心配した。

妻や友人と相談して出た結論は、中止ではなくて、「電車で近場に行く」だった。GOTOを利用するのだから、普段乗れない「しまかぜ」にしよう。贅沢に往復利用してもいいんじゃないかな。あえて、終点の賢島まで行くのも楽しいよね。

「こんな近い日程で、ホテル空いてるかな?しまかぜも、予約を取るのは難しい気がするな。伊勢志摩ライナーとか。」

「ホテルは数多いから、どこか取れるでしょ。しまかぜに乗れたら孫に自慢できるけど、確かに空いてないやろな。じゃ、座席が空いてなければ、このプランはやめて、北陸や白浜に行くのも検討しよう。」

「そやね、しまかぜが空いていれば、電車旅もいいかもね。」

『よっしゃ!しまかぜ決定!ふふふ、近鉄ネット予約会員の僕は、既に空席は確認済さ。個室は満席やったけどね。』

車旅の好きな彼女を「しまかぜ」に乗せるのは周到な用意が必要でした。