右の目頭が何となく痛い、粒のような目脂が出る。元々まつ毛が長くて逆まつげで痛くなるのもしばしばだった。
「なんか右目が痛いわ」
「あっ!目玉のすぐ近くから毛が生えてる、これ痛いわ。刺さるで、痛いやろ」
横にされた時には手にピンセットを持っていた。
え?
左手が僕の右目を開く、ピンセットの先が目の玉に向かってくる。少しのためらいもなく、かなり目の内側から伸びたまつ毛をつまみ取る。
痛さで涙がでる。
ためらいなく5本を抜いた。
彼女には僕の目玉を傷つける怖さなんて無いのだろう。性格でなく愛だと思いたい。