魚が泳ぐ杯に泡盛を注いで眺める

10年以上も前に長田で見つけた沖縄のお店。お猪口にしては、ひとまわり大きな杯を見つけた。2000円。ちゃんとした陶器だと安!ってなる値段だろうけど、100均で何かと手に入る時代に小さな杯-ぐい呑み程度の器に2000円は高いと思ったんだ。
お店の人が言う、これは金城次郎さんのお孫さんの作ですね。敏男さんとか、子供さんのはアチラに置いてます、次郎さんのも向こうにありますよ。
チラ見しても10倍は超えてそうなコーナーを紹介されている。
2000円にビビる僕に無茶を言うなと思ったが、値と共に目の前の器の魚紋に惹かれた。銘を見ると「山」?
吉彦さんですね。金城吉彦さん。「ヨ」か!カタカナだとは思わなかったけど、魚の表情に頼りなさがあって美しく感じたんだ。娘の寿美子さんの女性的な丸味と違う優しさを感じたんだ。
僕を見て、仕方なさそうに100均好きの妻が笑っている、はじめて、ちゃんと陶器を買った。
帰ってから改めて気づいた。泡盛を注いで泳ぐ魚の美しさ。用の美、使ってこその器だねぇ。
気に入ったのが吉彦さんで良かった、数年後には、次に買った小皿にスクカラスを乗っけられたもの。

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