丼からはみ出るほどの鰻が艶やかなタレをまとって湯気をたてている。最近、疲れ気味の僕と長男の為に妻が特大うなぎを丸ごと一匹使ったうな丼を作ってくれた。大奮発だ。妻は鼻息も荒くドヤ顔だ。

臭みもなく旨い。素材自身が旨い。長男も美味しいを連発して妻の満足度は満たされていく。

丼を片付ける妻を見ながら長男が言う。

旨いけど、ちょっと重たいな。

特大うなぎ一匹やからね。

それもあるけど。

9時回ってるからね。

美味しい以上を言わなかった息子に成長を感じた贅沢な晩ご飯。

介護カメラ

親の生活を覗き見る罪悪感のあった介護カメラ。どうしても、監視カメラといった意識になるけれど、設置する事に決めた。

車で30分ほどの距離に住んでいるから、何か有れば駆けつけるのだけれど、クスリ飲んだとか、リモコンの使い方とか、いつ頃出かけたとか、電話だと耳の遠いのも重なってかみ合わない話も通じやすくなるだろう。

愛情のある監視は見守りだ。

愛情と大声

風呂に入っていると、息子の大きな声が聞こえてきた。

「なんで分からへんの?向こうの人は聞いた事にはキチンと答えてるやん」妻に話しているようだ。

ふと、妻の大きな声を思い出した。

「なんで分からへんの?さっき説明したとこやん」認知症が進行してきた義父に話す時だ。

子は親を愛している。

でないと、根気よくあんなに長く説明していない。

でないと、身の回りの世話で何年も駆けつけられない。

愛情に満ちた大声だ。

日常のMerry Xmas

吐く息の白さが日常。

沖縄から帰ってきてイヴの通勤電車。

沖縄の暖かさを懐かしみながら、もう沖縄に行きたがっている、これも日常。

今夜はMerry Xmas。

孫を楽しみにすると思っていたけど、4日も連続して愛らしさに振り回されたら、今夜はひっそりと聖夜を過ごそう。だって、毎日ステーキだと胃がもたれちゃうでしょ。

孫を避けるなんて、これは非日常。

ポリシー

仕事が休みの日はヒゲを剃らない。

酒を飲んだ日は風呂に入らない。

単なる自分ルールだけど、30年以上に渡って守って来た。オンオフの切り替え、身体のケア、死んだ親父の言葉だったのかも知れない。

昨日、飲んで帰ったのに孫の涙に負けて、長湯に気をつけながら風呂に入った。ヒゲが痛いと言われて孫のくる週末にはヒゲを剃る。

ははは。僕のポリシーなんてそんなもんだったんだと、気付かされた。

甲高の人の靴探し

妻の足は甲高だ。しかも人並み以上に高い。気に入った靴、似合う靴より履ける靴を探すことになる。年末に沖縄に行くので、何とか歩きやすい靴をと考えるものの、なかなか履ける靴すら見つからない。

思い切って、オーダーメードをしようと、ネットで検索するけど簡単採寸では足長と幅だけ。キチッと測るなら赴くしかないようだ。店で採寸して、合う靴が見つかれば1オキナワで買えそうだけど、木型から作るとなると3オキナワくらいの出費になりそう。

作ってあげたい。ボーナスの神様と宝くじの神様に祈ろう。パチンコの貧乏神と手を切れば何足も買えたような気もする。矛盾だー