「ゆしどうふのそばも美味しいやろうね」
兄に話しかける
『いや、実は俺な、ゆしどうふが苦手なんや』
兄の答えに意外な感じがした
「朧豆腐やで、熱々の出来立てなんかサイコー」
『出来立てなんて、余計に味がキツそう』
兄は嫌いな理由を続ける
『俺は酒が飲めないからな』
そういえば、以前、コーレーグースをかけすぎて困っていた
「そりゃ、かけるのを調整しいや。フワフワで優しい味になるよ」
『確かに柔らかいけど、フワフワと言うよりトロって感じやろ』
「美味しいのを食べてないんよ。一緒に食べに行こ」
『いいよ。チーズみたいなやつをそばに入れるって訳わからん』
!
「ひょっとして、豆腐窯と間違ってない?」
『楊枝で食べるやつやろ、匂いのキツい、そばが台無しになるで』
「それ、豆腐窯のことやろ」
『豆腐窯って何?ゆし豆腐ってキューブのんと違うの?』
兄に違いを説明した
『朧豆腐みたいな感じやな!それなら食べて見たいわ』
嗚呼、うちの兄も人の話を聞かない人だった