数年前に島根県の比婆山に行った時のこと
残暑と言えないほどの厳しい暑さの日に、イザナミノミコトの御陵にお参りしたくて、比婆山久米神社に向かっところ、農村風景の中にポツンとお店を発見。
久米神社は里宮と奥宮があって奥宮に行くには比婆山に登らなくてはならないようで、その登山道も複数経路あるらしく、車のナビが上手く活用できなかったので、地元情報を得るには最適のタイミングだった。
降り注ぐ日差しは強く、麓の里宮までは歩いていける距離だったので、軽い休憩も兼ねて店に入ると、温和な顔つきで少し日に焼けた女性が出てきた。店内はワークショップのような雰囲気の机があり、単なる休憩所でも無いようだったけど、その日は女性一人だった。
イザナミの御陵のお話を聞くと、用意した簡単なマップを指差しながら奥宮のある頂上へのルートを説明してくる。残念だけど暑さが厳しくて里宮からお参りしたいと伝えたのだが、女性の説明は続き、里宮から登るルートが安全で登りやすいなどと、近くによると案外大柄な女性は愛らしい笑顔で奥宮行きを勧めてくれる。
「あっ、今日は9月1日だからお越しになったんですね。イザナミ様も喜ばれます」
実は意味がわからない。9月1日になんの意味があるのか?
(いまだにネットで調べてもわからない)
「奥宮まで1時間かからないって」
礼を言って、パンフもらって里宮へ進む頃には、妻の意思は固まっていた。
後日談
・お店の営業は土日だけなので、僕らの行った木曜日は通常は閉めている。
・翌年も訪ねてみたけど、店は閉店していた。
・笑顔の彼女は移住してきた人で9月1日の真相をもう聞けない。
あ!今日は8月31日だった。